何をもって「強いコーヒー」と言うのかについては意見が別れそうですが、深い焙煎のコーヒーの事を強いコーヒーと言うのであれば、管理人もそっち派。イタリアンローストやフレンチローストなどのコーヒーを濃く淹れたものを強いと表現して楽しむ派。
そして今回はピート香ただよう強いコーヒーで、面白い名前の「454 Horse Power」を紹介します。
(※今は知りませんが、以前はブラジルなどの一部地域のコーヒーをストロングコーヒーという場合もあったとか)
「強いコーヒーが飲みたい」を解決してくれる454 Horse Power
Kicking Horseの454ホースパワーは、強いコーヒー感を思いっきり楽しめるうえにオーガニックでフェアトレード。
(Fair Trade/発展途上国の生産者に正当な賃金を払い、原料や製品を適正価格で取引)
さぁ、蓋を開けてみましょうか。
ちょっと塗料のはげたフタを開けるとガス抜き付きのシールが現れました。
ダークな香りがふわっとやってきます。
そして深煎り豆特有のテカテカ感♪(古い豆に出てくる油とは別物です)コーヒー好きさんが「これはもしかしたら古い油かもしれないけど、でも保存状態によっても油はある程度出るものだし、深煎りならなおさらで、しかも缶入り輸入品深煎りならどうしたって仕方ないだろう」みたいに言ってました。新鮮な豆は日本の専門店で焙煎したての豆を買ってくださいね!
454、どんなコーヒーなのでしょうか。
Velvety, Earthy, SpiritedAROMACacao nibs, peat, and hints of nutmegTASTING NOTESHeavy body, sweet tobacco, earthy with a black licorice finish.(出典:Kicking Horse Coffeeホームページより)
ベルベットのような、大地の、豪快
アロマ:カカオニブ、ピート香(燻したような香り)、ナツメグを思わせる
テイスティングノート:重厚、甘い風味のたばこ、ブラックリコリスを彷彿とさせる土臭さ(荒々しい訳でごめんなさい)
454は、Velvety, Earthy, Spiritedの3ワードで表現されています。
ベルベットといえば、あのシルクなどで出来た滑らかで光沢のある高級生地でもおなじみですが、ここでは濃く、重厚な滑らかさを表現しているのだと思います。
アースィという表現は、ここでは大地の土の香りや荒野の荒々しさ、自然のたくましさを表現しているのでしょうか。
最後の「Spirited」とは何ぞや?
そしてなぜここでこの単語が?
と思いを巡らせる前に、Kicking Horse Coffee について、ほんの少し触れておく必要がありそうです。
Kicking Horse Coffeeについて
Kicking Horse Coffeeは、カナダ最大のオーガニック&フェアトレードのコーヒーブランドです。
Kicking Horseとは、カナダにあるこんな場所。カナディアンロッキーのスキーリゾートで、夏は山遊びが楽しめます。
Kicking Horse River (川)とkicking Horse Pass(峠)に由来した地名ですが、どうしてKicking Horse(直訳で蹴る馬、蹴とばし馬)なんて名前が付いたのでしょうか。
時は1858年。
スコットランドの医師で地質学者のジェームズ・ヘクター博士は、未開拓の北米開拓団の一員となり、カナディアンロッキーを調査していた。
ところが一団は、誤って川に転落。川の中で必死にもがきながらも自分の馬を捕まえようとしたその時、ヘクター博士は馬に胸を蹴られ意識を失う。
同伴者たちは、ヘクター博士が息絶えたと思い、墓を掘り、彼を埋葬しようとしていたところ、突然どういうわけか、意識をとりもどした。
ヘクター自身はこの体験について、「はっきりとした記憶はない」と語ったという。
以来、ヘクター博士が落ちて馬に蹴られた川をKicking Horse Riverと呼び、近くの峠をkicking Horse Passと呼ぶのだとか。
この辺りは諸説あって、管理人にはどれが真実なのかわかりませんが、Kicking Horse Coffeeではこの話がちょっとしたオリジナルの伝説になっています。
馬に頭を蹴られ、死んだと思われたロッキ―山脈の探検家。どうしたことか、Kick Assの1杯のコーヒーでよみがえった。
なんと!!
すごいですね。
さて、この奇跡のストーリーに加えて、Kicking Horse Coffeeのコーヒーには、ちょっとスパイスの効いたネーミングの商品がズラリ。
「Kick Ass」は英語のスラングでは「素晴らしい!」とか、「最高!」という意味ですが、直訳は「お尻を蹴る」。勝ち負けの意味でも使われ、Kick your Assで ”オマエに勝つ” とか ”ぶっ●す” とか ” 蹴散らす ” とかの意味でしたね。Kick my Assなら ”負ける”。Kicking Horse CoffeeのKick Assの缶の柄はロバ。Assにはもともとロバという意味も有る単語ですから、かけているのでしょうか・・・あまり良い使い方をされないassという単語ですが、この商品では誇りをもってKick Assと名付けられているように思えます。
「454Horse Power」 は、454馬力(ばりき)。この缶に入っている豆の量が454gですから・・・たぶんそういう事でしょうか。面白いですね。
(登場するストーリーは管理人調べによるものです。カナダで実際にツアーに参加した人がガイドさんから聞いた話なども交えていますが、ツアーガイドさんによっても話が違う可能性があります)
さて、454のアロマの続きです。
カカオニブといえばアイハーブでもおなじみの、カカオを砕いたものですね。「チョコレート」で表現するのではなく、「カカオ」で表現するあたりがダーク感を盛り上げてくれます。
ピートは、泥炭(でいたん)とも呼ばれ、植物などが長い年月(何千年とか)をかけて堆積して炭化したようなもので、こんなかんじの物です。
ここからさらに乾燥させて硬化させることで、ますます炭のようになり、燃やせば大地の香りとともに素材を燻す(いぶす)ことができるようです。ウィスキーの麦芽にはこのピートの香りがうつっていて独特の香りがするのだとか。
燻されたようなニオイを「スモーキー」と表現したりしますが、454はあえて「ピート香」となっています。
black licorice finishは、この454の味の特徴であるヤニ感のことでしょうか。ヤニ感というのは、管理人が勝手に思っている454の特徴で、個人的に、ダーク過ぎるコーヒーにリコリス感を感じてしまうのです。さすがsweet tobaccoの表現が出てくるだけの事はありますね。リコリスについては姉妹ブログに書きました。
そうそう、やっと「Spiritedとは何ぞや?」に戻ってきました。
勝手に「豪快」と訳しましたが、kicking Horse Coffeeですからね。「馬」に関わっています。よく、Spirited Hoese(暴れ馬、興奮状態の馬)などと訳されたりしますが、競走馬などでは勢いのある強い馬という意味でSpiritedは使われています。もともとは「勇敢な」という意味もある単語です。
という事で、この454Horse Power、パンチの効いた強いコーヒーを楽しむには持ってこいではないでしょうか。
さあ、あなたもKicking Horseの世界を楽しんで!
Kicking Horseのコーヒー豆はオーガニック&フェアトレード。遊び心あふれるネーミング。
容器も、海外製品にしてはしっかりしています。時々缶が凹んでいたり傷がついて届くのは海外輸送で御愛嬌。
カナディアンロッキーのキッキングホースリゾートのお土産物コーナーにも並んでいる有名なkicking Horseのコーヒーがアイハーブだと現地価格で買えてしまいます。

Kicking Horse, 454 馬力、ダーク、コーヒー豆、12.3オンス(350 g)
待望の量の少ない(パック(袋)入りバージョンも新発売
Kicking Horse, キック・アス、ダーク、ホールビーンコーヒー、10 oz (284g)
コーヒー通の人にはあえてお勧めしませんが、このブランドの世界観を味わいたい場合は是非。
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