海外でのレビューがかなり良い軟膏なので注目していた製品です。原材料にちょっと気になる点があったため、詳しくレビューします。
Kuumba Made, ハーバル・ヒーリング軟膏、 1 オンス (28.3 g)
原材料
☆印はオーガニックの成分
●Olea europaea (olive) fruit oil infused with:☆
以下のハーブを浸出させたオリーブ果実油(浸出油:インフューズドオイル)
●symphytum officinale (comfrey)☆
(※キク科)ヒレハリ草(鰭玻璃草)英名はコンフリー。
コンフリーに含まれるピロリチジンアルカロイドは肝臓に悪影響を及ぼすなどの毒性があるとして厚生労働省ではコンフリー及びこれを含む食品の販売等を禁止しています。古くはヨーロッパ等でケガをした際の抗炎症剤等に使われてきたそう。コンフリーに含まれるアラントインには抗炎症作用や細胞を修復する作用があるとされ、ニキビの改善などにも用いられているそう。軟膏以外にも湿布(パップ剤)や化粧品、目薬などにも利用されているとか。(1) コンフリーを製造・販売・輸入等する営業者に求める事項
・ コンフリー及びこれを含む食品の製造・販売・輸入等の自粛…
(2) 一般消費者に対し求める事項
・ 販売されたコンフリー及びこれを含む食品の摂取を控えること…
(出典:厚生労働省ホームページ「健康被害情報・無承認無許可医薬品情報」内、”シンフィツム(いわゆるコンフリー)及びこれを含む食品の取扱いについて”より一部抜粋して利用。
URL:http://www.mhlw.go.jp/topics/2004/06/tp0614-2.html)
●calendula officinalis☆
(※キク科)金盞花(キンセンカ)カレンデュラのこと。
軟膏に良く使われるハーブで、抗炎症作用などから、かゆみ、日焼け、かぶれ、湿疹等に古くから用いられてきた。
●stellaria media (chickweed)☆
コハコベ(小繁縷)
通称「ハコベラ」と呼ばれる七草のひとつで、抗酸化作用や抗炎症作用があるとされ、胃もたれなどに良いとされる。
●plantago major (plantain)☆
西洋オオバコ。以下参照
セイヨウオオバコの葉は薬草として用いられることがある。また歴史的に、傷の治療やヘビによる咬傷の治療にも用いられた。またセイヨウオオバコは、肌荒れ防止効果があるとされるアラントインを含んでおり、同じくアラントインを含むヒレハリソウの製剤(肝毒性があると判明した)に代わってセイヨウオオバコの抽出成分が用いられることもある。またセイヨウオオバコは、肝毒性を抑止する効果があるとされるアウクビンも含有している。
出典:Wikipediaフリー百科事典「セイヨウオオバコ」
ということで、先ほどのコンフリー(ヒレハリ草)に含まれるアラントインがオオバコには含まれていて、しかも、コンフリーとは違って肝毒性のあるピロリチジンアルカロイドは含まれず、さらには肝毒性を防止するとされるアウクビンも含有という事で、それなら、コンフリー無しでアウクビンとオオバコで良いと思うのですが、そうもいかない理由があるのでしょうね。
●echinacea purpurea☆
(※キク科)エキナセア パープレア(紫馬簾菊:ムラサキバレンギク)
天然の抗生物質としても有名なハーブ。免疫力を高め、抗菌作用で風邪予防やウィルス対策にも用いられるハーブ。アイハーブでも多くの風邪予防等お助けアイテムに配合されています。
●hydrastis canadensis (goldenseal)☆
ゴールデンシール。
エキナセアと並んで天然の抗生物質と言われるほどの抗菌作用のあるハーブ。抗炎症作用などから胃炎や口内炎などに民間レベルで使用されるハーブですが、血圧を上げる作用があるため、高血圧の人は摂取しない方が良いという情報も。また、成分中の化学物質であるベルべリンは乳幼児に黄疸等の副作用が現れたという報告あり、赤ちゃん、幼児はじめお子さん、妊婦さんや授乳中の方は使用を控えた方がよさそうです。
以上のハーブのエキスの入った浸出油以外に、以下の成分が配合されています。
●aloe barbadensis (aloe vera) leaf juice☆
アロエベラジュース。
言わずと知れた抗炎症作用はヤケドや皮膚炎症のほか、飲んで胃炎等にも効く万能植物。
●commiphora myrrha (myrrh)
ミルラ
Wild Harvested認定オーガニックの野生のミルラ使用。抗菌、抗炎症作用等により、炎症を抑える効果がある他、防腐効果も。精神を落ち着かせる香りはお香などにも利用されます。
●beeswax☆
蜜蝋(みつろう)。はちの分泌物。巣の材料にもなる蝋状のもの。抗菌作用があって質感はクリームのようなので、軟膏やリップクリームはじめ様々な製品の形成目的でも使われる。
●tocopherols (vitamin E)
トコフェロール(ビタミンE)長時間抗酸化作用のある添加物。製品を酸化から守り品質を安定させる。何由来のビタミンEかは不明なので、遺伝子組み換えの有無は分かりませんが、これだけオーガニックな成分を使っているのでおそらくはこだわっていると思われます。
パッケージには
「スキンケアに、傷、発疹、かゆみ、皮膚刺激などに
最強のハーブの組み合わせで、肌への修復に導きます。 傷、火傷、虫歯、乾燥肌、かゆみ、おむつかぶれや痔などの発疹に・・・」
のようなことが書かれています。
使用方法としては
「気になる部分に症状の改善がみられるまでつける」
とあります。
注意点
※キク科の植物にアレルギーのある人は使用しない
※子供やペットの手の届かないところに保管する
※ゴールデンシールは乳幼児、妊婦、授乳中等の場合は推奨されないため医師に相談する
※コンフリーに肝毒性がある可能性が否定出来ないため、肝臓や腎臓の機能になにかしらの心配がある場合は使用しない。または医師に相談する
コンフリーに含まれる毒性物質はピロリチジンアルカロイドというもので、フキノトウやわらびなどの山菜や一部の野菜にもふくまれ、あく抜きの理由の1つともされています。
食品としての使用に注意を促してはいても、外用ではそのような喚起は世界的にも日本においては現在は無いようですが、しかし経皮吸収のほうが時に体に悪影響を及ぼすものも多いため、多用は避けたいところ。
カナダでは食用だけでなくコンフリーを含む多くの製品が許可が無いと販売できないようです。
どんなに低毒性のものも、使用量が多ければ毒になり、毒性が高いものも、使用量が少なければ無害な場合もあるため、製品化されているものについては含有量その等考えて製造してくれている事を切に願うばかりです。
また、コンフリーの場合、食用で毒性があったとしても、経皮吸収で毒性があるのかどうかも不明です。
海外のレビュー
日本でこの製品に関してのレビューが少なかったので海外サイトをのぞいてみました。気になった部分をピックアップ
●すり傷、打ち身、発疹とかにめちゃくちゃおすすめするわ!
●香りが少なくて良いなー
●乾燥肌に効いたよ
●ベビーパウダーなんかより断然赤ちゃんに安心よ!
●今まで使った製品の中でダントツに良い!
●長年薬を使っても全然治らなかったくらい絶望的な肌が良くなったの
●首と胸の発疹の痛みが良くなった
○他の製品と比べて特に良いとは思わなかった
○肌の色素沈着には効果なし
本当に良いレビューが多くて、コンフリーの有毒性など全く気にかけていないような感じです。それにしても赤ちゃんのデリケートゾーンに塗って大丈夫なのでしょうか・・・
最後に
Kuumba Madeのハ―バルヒーリング軟膏は、オーガニックのオリーブオイルに有効成分を含むハーブのエキスを抽出させたインフューズドオイルに、アロエ、ミルラ、製品を安定させるためのトコフェロールを加えて蜜蝋で固めたバームです。
原材料のコンフリーに含まれるピロリチジンアルカロイドだけをとって考えた場合、「毒も少量なら薬になる」という言葉にぴったりと思えるような製品に感じました。
海外でも現在は推奨されていないハーブなのに何故配合されているのか。理由はきっと一定の効果をもたらすからなのかもしれません。じゃぁオオバコ増やしてと思っても、色んな理由があるのでしょう・・・
管理人自身、本当にかゆみが収まってしまって複雑な気持ちです。
香りも海外製品にしては穏やかで、使用感も問題ありません。塗った瞬間はべたっとしていますが、塗り広げて行くとサラッとしています。
管理人自身は必要な時のみ少量使用しています。食用での利用については問題視されているので、一応リップ以外で使いたいのと、デリケートゾーンは避けたいと思いますし、他の製品と同じく、使い続ける事は避ける派です。
Kuumba Made, ハーバル・ヒーリング軟膏、 1 オンス (28.3 g)